クボタメガネについて

ウェアラブル近視デバイス

当社では、ウェアラブル近視デバイスの開発にも力を入れています。 近視は、屈折性近視、軸性近視、偽近視、核性近視などに区分されますが、その多くは軸性近視と診断され、眼軸が伸長することによりおこるとされています。眼軸長が伸びると、眼球の中で焦点が網膜より手前に位置づけられるために、遠くが見えにくくなります。



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近視は、2050年には、世界の約半数の人が陥ると予測されている疾患です(*1)。特に、日本を含む、中国、香港、台湾、韓国、シンガポールといった東アジアの国々で近視が急激に増加しており、ソウルでは、19歳の男性の96.5%が近視というデータも示されています(*2)。また、2019年3月に文部科学省が発表した学校保健統計調査によると、小学生〜高校生の裸眼視力における1.0以上の割合が過去最低と発表されています(*3)。近視の進行により、緑内障視野障害・白内障のリスクが2倍から5倍に、網膜剥離のリスクを3〜21倍に、網膜分離症のリスクを2倍〜126倍以上に高めるというデータも示されています(*4)。現在は、メガネやコンタクトレンズ、屈折矯正手術により、光の屈折を矯正し、焦点を網膜に合わせることが一般的であり、眼軸長を短縮させるような根本的な治療法は見つかっていません。

*1 Holden BA, et al. Ophthalmology.(2016)
*2 Elie Dolgin(2015)『The Myopia Boom』(Nature)
*3 文部科学省 平成 30 年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について
*4 Eric Ritchey, OD, PhD. Myopia Increases the Risk of Serious, Sight-Threatening Eye Disease. Review of Myopia Management



クボタメガネテクノロジーは、網膜に、アクティブスティミュレーションという光を用いた刺激を与えることで、眼軸長を短縮することを目標としています。試作機である卓上デバイスにクボタメガネテクノロジーを用い、眼軸に与える影響を検証した結果、対照眼と比較し眼軸長の短縮を確認しました。 アクティブスティミュレーションとは、網膜に人工的な光刺激を与えて近視の進行抑制、治療を目指す当社独自の技術です。近視により後方に伸展した網膜の周辺部に、当社独自の映像を投影することで、対照眼と比較して、眼軸長の短縮が確認されました。これは、すでにFDA(米国食品医薬品局)にも認められた製品の理論的根拠である「myopic defocus」という網膜の周辺部をぼかすことにより、近視が抑制されるという現象を応用しており、さらに従来製品が受動的な刺激を用いていたのに対して、当社では、ナノテクノロジーを駆使して能動的に特殊な映像を投影することにより、より短い時間で、より自然な見え方を維持して、高い効果を実現するべく開発を進めております。なお、詳細なデータに関しましては、論文にて発表予定です。

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当社では、21歳〜32歳の被験者12名(アジア人7名・白人4名・ヒスパニック1名、男性9名・女性3名、球面屈折異常-3.5D〜0.0D)に対し、アクティブスティミュレーションを用いた試作機である卓上デバイスにて、眼軸に与える影響を検証した結果、対照眼と比較し眼軸長の短縮を確認しました。通常、眼軸長は、年齢と共に伸びる、もしくは成長が止まるものであり、人工的な光により眼軸長が対照眼と比較して短くなるということは、世界でも前例がありません。 今後は、クボタメガネテクノロジーをスマートメガネ、スマートコンタクトレンズに応用し、実用化を目指していきます。スマートメガネ「クボタメガネ」については、2020年後半に実証試験を終え、2020年内にプロトタイプを完成させることを目標としています。スマートコンタクトレンズの開発タイムラインについては、現段階では公表できません。クボタメガネテクノロジーは、将来的には、AR機器、VR機器へ応用し、子供の近視予防への応用が期待されています。